目次
付け下げ(つけさげ)ってどんな着物?
付け下げの基本定義
付け下げ(つけさげ)は、訪問着と並び、準礼装として幅広く使われる着物のひとつです。柄の入り方に特徴があり、反物の段階で模様がすべて上向きになるよう染められているのが特徴です。
訪問着のように絵羽模様ではないため、やや控えめな印象を与えますが、しっかりと格を保ちつつも上品で落ち着いた装いが楽しめます。
「略式訪問着」とも呼ばれる理由
付け下げは、「訪問着ほど華やかでなく、小紋よりは格式がある」という絶妙な立ち位置にあります。そのため、場をわきまえつつもきちんと感を出したいシーンで重宝され、「略式訪問着」とも呼ばれています。
控えめながら品のある一枚。それが付け下げです。
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訪問着と付け下げの違いとは?
見た目だけじゃない!染め方にも違いあり
訪問着と付け下げは、見た目が似ているためよく混同されがちですが、以下のような違いがあります。
項目 | 訪問着 | 付け下げ |
---|---|---|
柄の入り方 | 縫い目をまたぐ絵羽模様 | 縫い目をまたがず、全て上向き |
染め工程 | 仕立てを想定してから柄付け | 反物状態で染める |
格・フォーマル度 | より高い | やや控えめ |
着用場面 | 結婚式・式典 | 観劇・会食・茶会など |
「少し控えめに品よく見せたい」なら、付け下げがベストです。
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付け下げが活躍するシーンは?
具体的な着用シーン例
付け下げは、格式が求められる場でも、そこまでかしこまる必要がないシーンにぴったりです。
- 観劇・コンサートなどの文化的イベント
- お茶会や食事会などの社交場
- 子どもの入園・卒園式、授業参観
- 親族以外の結婚式参列
TPOに合わせて帯や小物で調整
帯や小物の合わせ方で、印象をカジュアル寄りにもフォーマル寄りにも演出できます。
- 金糸入り袋帯+華やかな帯締め → きちんとした席に
- 名古屋帯+控えめな帯揚げ → カジュアル寄りに
付け下げは“帯合わせ”次第で、七変化する万能アイテムです。
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付け下げの選び方|柄・素材・色のポイント
柄のバリエーション
付け下げは控えめなデザインが多く、品よくまとまりやすいのが魅力です。
- 草花・四季のモチーフ → 季節感が出ておすすめ
- 幾何学や抽象柄 → モダンな雰囲気に
- 金彩や刺繍入り → きちんと感を強調
色や素材の選び方
年齢層 | おすすめの色 | おすすめの素材 |
---|---|---|
20代~30代 | 明るめのピンク、若草色など | 正絹・軽やかで柔らかい素材 |
40代以降 | 紺・灰・深緑など落ち着いた色 | 光沢のある正絹やちりめん |
年齢や季節に合った色柄を選ぶことで、より上品な着こなしができます。
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付け下げを手に入れる・手放すときのポイント
購入するならここをチェック!
- 仕立て前か仕立て済みか
- サイズが自分に合っているか
- 証紙付きであるか(品質保証)
買取市場でも注目のアイテム
状態の良い付け下げは、中古市場でも人気があります。特に以下の条件に当てはまるものは、高額査定も期待できます。
- 正絹製で証紙付き
- 有名作家物
- 汚れや変色がない
使わない付け下げは、買取に出すことで次の人の特別な一着になります。
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まとめ|付け下げは上品で柔らかな印象を与える万能着物
付け下げは、「控えめだけどきちんと見せたい」ときにぴったりな着物です。訪問着ほど華やかではないものの、格調の高さと品の良さがあり、幅広い年齢層に支持されています。
帯や小物次第でフォーマルにもカジュアルにも対応できるため、1枚持っておくと非常に便利です。
格式と自由を併せ持つ一着──それが付け下げです。
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