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打掛(うちかけ)ってどんな着物?
打掛の基本定義
打掛(うちかけ)は、主に花嫁衣裳や舞台衣装に使われる格式の高い着物の一種です。大きな特徴は「羽織るだけ」で帯を締めないこと。つまり、実際には着物の上に“掛ける”ように着用します。
そのため正式には「掛下(かけした)」という別の着物の上に重ねて着るスタイルとなっています。
名称の由来
「打掛」という名前の由来は、江戸時代の武家の女性たちが礼装として“上から打ち掛けて着た”ことに由来します。
着物猫
ふふ、打掛は昔から「晴れ着中の晴れ着」と呼ばれておるのじゃ。着るだけで気品が漂うぞえ〜。
打掛の用途と着る場面
伝統的な使用場面
- 結婚式(特に神前式の花嫁衣裳)
- 舞妓や芸妓の舞台衣装
- 伝統芸能(歌舞伎・能など)の衣装
現代での利用
- フォトウェディングや成人式前撮りの演出
- 海外のファッションショーや展示イベント
- インテリアやアートピースとしての活用
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最近じゃ、インバウンドのお土産としても人気があるとか。飾っても映えるのが打掛の良さじゃの。
打掛の特徴と他の着物との違い
着物の種類 | 帯 | 着方 | 用途 |
---|---|---|---|
打掛 | 帯は締めない(掛下に締める) | 羽織るだけ | 婚礼・舞台衣装など |
振袖 | 華やかな袋帯を使用 | 袖が長い/一枚で着用 | 成人式・フォーマル |
訪問着 | 袋帯 | 上下が一続きの柄 | フォーマル訪問時 |
着物猫
おぬし、「着る」んじゃなくて「羽織る」んじゃよ、打掛は。まさに格が違う装束ってわけじゃな。
打掛の代表的な素材と意匠
主な素材
- 正絹(しょうけん)…高級な絹素材で光沢が美しい
- 金襴(きんらん)・銀通し…豪華絢爛な婚礼仕様
- 緞子(どんす)…厚手で艶やかな織物
代表的な柄・意匠
- 鶴・亀・松・竹・梅などの吉祥文様
- 御所車や桜吹雪、波模様などの古典柄
- 刺繍・箔押し・絞り・友禅などの技法を使用
打掛は素材も意匠もすべてが「ハレの日」のために設計された究極の衣裳です
着物猫
見ておるだけでうっとりするじゃろ?細部にまで職人の魂が宿っておるのじゃ。
まとめ|打掛は日本の伝統美を象徴する着物
打掛は、着物の中でも特に格式が高く、華やかな場にふさわしい「ハレの日の象徴」として受け継がれてきました。
重厚な生地に繊細な装飾、そして豪奢な文様の数々は、日本の美意識と伝統技術の結晶といえるでしょう。
見るだけでも心が華やぐ打掛。その奥深い魅力に、あなたもぜひ触れてみてください。
着物猫
お主も興味が湧いてきたようじゃの。ぜひ一度、本物の打掛を間近で見てみるとええぞえ〜。